最低購入額は1万円|変動金利の商品|一定期間は中途換金不可
個人向け国債は、購入の対象を個人投資家に限定した新しいタイプの国債のことです。わが国の国債の保有者別内訳をみてみますと、米、英に比べて個人投資家の保有割合が極めて低く、金融機関の保有割合が高いため、経済情勢によっては、国債相場が一定方向に変動しやすいというリスクを抱えています。また大量に発行している国債の受け皿を広げるためにも、長期に安定して保有が期待できる個人投資家への消化を促進する狙いで、個人を対象に発行する個人向け国債が検討されています。2002年度の発行計画では3000億円となる見通しで、第1回の発行日は2003年3月から3月、募集期間は2週間程度です。しかし、個人向け国債の人気が高い場合には発行額の増額も検討するようです。
2002年4月に実施されたペイオフ(定期預金などの払い戻し補償額を元本1000万円までとその利子までとする措置)一部解禁により、大量の資金が普通預金などの流動性預金にシフトしており、今後の行方が注目されています。
ペイオフ一部解禁が行われる中で、国債の消化額は増加しており、個人向け国債は、ペイオフ全面解禁(2005年4月に延期)に向けた受け皿商品としても今後の詳細な商品性決定に関心が高まっています。
販売は、銀行や証券会社、郵便局などの金融機関の窓口で行われるほか、インターネットのホームページでも直接販売することを検討しています。
個人向け国債の主な特徴は次の通りです。ただし、現時点(2002年8月現在)では正式決定されていないので、今後変更されることがあります。
▽購入対象者 通常、国債は個人投資家のみならず、金融機関などの機関投資家も購入できますが、個人向け国債は個人名義でしか購入できません。購入する場合、取扱金融機関は、個人の本人確認を行うことになります。
▽最低購入単位 国債の最低購入単位は5万円ですが、個人向け国債は1万円から購入できます。
▽期問 従来の国債の償還期間は2、5、10、20年などがありましたが、個人向け国債の期間は10年です。
▽金利 個人向け国債の金利は、半年ごとに受け取り利息が変わる変動金利です。10年もの国債の発行金利から一定水準を差し引いた形で決められます。利息は半年ごとに支払われます。
これまでの国債でも、変動利付きの国債は発行されていましたが、基本的には発行時に決められた金利が満期まで続く固定金利でした。よって、将来的に金利が上昇すれば、受け取り利息も増えますが、逆に金利が下がっていくと受け取り利息は減ってしまうといったリスクもあります。
▽中途換金 従来の国債は、中途換金する場合は、銀行や郵便局などの取扱金融機関に買い取り価格を問い合わせたうえで時価で売却することになります。したがって、購入時より金利が上昇していれば、売却価格が購入価格を下回り損失が発生する場合があります。逆に購入時より金利が低下していれば、売却価格が購入価格を上回って、値上がり益を得ることもできます。
個人向け国債は、購入後一定期間は中途換金できませんが、据置期間後であれば政府が購入時の価格と同じ価格で買い取ってくれるため、値下がりによる損失は発生しませんが、値上がり益も期待できないことになります。中途換金時の手数料については、過去1年間に支払った利子相当額が差し引かれることになるようです。
▽譲渡制限に関する事項 原則として、個人へ譲渡する場合を除くほか、譲渡できないことになっています。
▽税制優遇措置 国債の利子については、預貯金と同じように所得税と住民税を合わせて20%を税額として源泉徴収されますが、個人向け国債については、利子を例外的に非課税にするなどの優遇措置の導入が検討されています。
65歳以上の高齢者の場合、国債保有者に対しては特別マル優として元本350万円まで非課税枠が認められていますが、2003年1月から段階的に廃止されます。
メリット 最低購入単位は1万円からで、従来の国債(最低購入単位5万円)に比べると買いやすくなっています。
金利は変動金利なので、現在のような超低金利の時代に購入しても、将来的に金利が上昇すれぱ高い利子が受け取れます。一定期間後中途換金する場合は、購入時と同じ価格で政府が買い取ってくれるため、値下がりによる損失が発生しません。利子にかかる所得課税の免除が検討されています。
デメリット 一定期問は中途換金ができません。変動金利なので、将来的に金利が下がると受け取る利子が減ります。
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